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「鎖より咲く」 江村あるめ/作

¥209,000 税込

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作品サイズ/全長約87センチ

素材/石塑粘土 ジェッソ テンペラ 自作の人形義眼




回文も手がける人形作家 江村あるめさんによる2012年制作の少女人形。
江村さんの第二回個展であり東京での初個展となった
『箱庭の秩序』(2012年11月 ギャラリールデコ)
が初出。

「鎖骨」の由来のひとつとされる、
古来中国では囚人を捕らえておく為、
この骨の後ろに穴をあけ鎖を通したことから鎖の骨、
鎖骨となったという説に着想を得て、
「少女を少女という檻に繋ぎとめるのは細いリボンだろう」
と連想して制作されたのがこの少女人形。

タイトルの
『鎖より咲く(くさりよりさく)』
は回文になっています。

彩色はジェッソとテンペラの混合技法。
全体的にカサリと乾いた感触に仕上げ、
頭髪もその感触に寄せたものを貼りこんでいます。
目には江村さん自作の人形義眼が使われており、
表情に奥行きを与えています。
鎖骨に通されたリボンは取り外すこともできます。

この頃の江村さんの人形作品は、
縦に引き延ばしたようなほっそりとした身体を持っています。
さらに幾つかの作品では肩の関節球だけをあえてやや大きめに設定し、
細長く作られた身体性の脆弱さを補うかのように主張させた独特のバランスで
心地よい緊張感を生み出してもいました。

またこの時期の作風として、
踵にヒール状の「指」を持つ人形がいます。
『鎖より咲く』も6本目の「指」を持った人形ですが、この少女人形の「指」は
蹴爪のような形状をしています。
自立させることを放棄して得たこの奇妙に美しい造形は、
近年では見ることのないこの時だけの魅了でした。
『鎖より咲く』の踵指(蹴爪)部分は球体関節により可動するよう作られています。
(この部分の可動域はさほど大きくありません)



●江村あるめ Emura Arume

2004年
 回文制作開始

2006年
 人形制作開始(2006~2011年 アール・リベ人形学院にて学ぶ)

2010年
 初個展「ゆめみるあわ」(ギャラリー花いろ)

2012年
 個展「箱庭の秩序」(ギャラリールデコ)

2013年
 「Elpis」(パラボリカ・ビス)
 「妖し展」(アートラッシュ)
 「古書ドリス東京移転一周年企画 創作人形展」(古書ドリス)

2014年
 「Eos」(パラボリカ・ビス)
 「龍宮城展」(アートラッシュ)
 「箱庭展」(アートラッシュ)
 「人形展Doris」(古書ドリス)

2015年
 「猫展」(アートラッシュ)
 「書架に棲むもの―江村あるめ小品展」(古書ドリス)
 「妖し展」(アートラッシュ)
 「箱庭展」(アートラッシュ)
 「人形展 Eden」(パラボリカ・ビス)
 「クリスマス展」(アートラッシュ)

2016年
 「ひなまつり展」(パラボリカ・ビス)
 「eclectic 夜想+平安工房人形展」(パラボリカ・ビス)
 「L'ondee展」(古書ドリス)
 「双子展」(パラボリカ・ビス)
 「人形展 縁 ENISHI」(パラボリカ・ビス/春秋山荘)
 「クリスマス展」(アートラッシュ)

2017年
 「猫9変化展」(アートラッシュ)
 「人形展 廻向(echo)」(パラボリカ・ビス/春秋山荘)
 「夜の空中庭園展」(アートラッシュ)
 「Little Creatures 100の物語に100の生き物展」(パラボリカ・ビス)
 「雨沢聖・槙宮サイ・江村あるめ創作人形三人展 sillage~シヤージュ」(ギャラリー子の星)

2018年
 「番外篇・遊蓮茶屋Ⅱ 京都山科展」(パラボリカ・ビス/春秋山荘)
 「妖精の森」(アートラッシュ)
 「海の熱帯雨林」(アートラッシュ)
 「黄泉月夜」(パラボリカ・ビス/春秋山荘)
 「黄泉月夜 巡回展」(パラボリカ・ビス)

2019年
 「梨木香歩頌選集展 Vol. 1『丹生都比売』」(パラボリカ・ビス/春秋山荘)
 「妖し展」(アートラッシュ)

2020年
「アリス展」(アートラッシュ)
「熱帯雨林展」(アートラッシュ)
「百鬼夜行展」(アートラッシュ)
「Halloween 江村あるめ小品展」(幻想系古本屋Doris)

2022年
 個展「脈なき鼓動」(ギャラリー懐美館)

その他グループ展など参加多数

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